プラオサン寺院は9世紀の半ば、ヒンドゥー教を信仰する古マタラム王国のラカイ・ピカタン王によって建造された仏教遺跡である。
この寺院の特徴は数多くの仏像が残っていること。プランバナン寺院から車で6分、ぜひお立ち寄りください。
プラオサン寺院 歴史
プラオサン寺院は9世紀の半ば、ラカイ･ピカタン王 (Rakai Pikatan) によって建造された仏教遺跡である。
このラカイ･ピカタン王はロロ･ジョングラン寺院の建立者である。ここで疑問。ヒンドゥー教を信仰する古マタラム王国のラカイ・ピカタン王がなぜ仏教寺院を建立したのか？
なぜなら、プラオサン寺院はプラモダヴァルダニ王妃への贈り物であり、王妃は仏教を信仰するシャイレンドラ王国の姫であった。プラモダヴァルダニ王妃の父親サマラトゥンガ王はボロブドゥールの建立者である。
仏教を信仰するシャイレンドラ王国と、ヒンドゥー教の古マタラム王国との戦略的婚姻は、9世紀の中部ジャワ地域を安定と繁栄へ導いたのである。
プラオサン・ロル寺院 概要
プラオサン･ロル寺院は囲繞壁によって区切られた2棟の主堂がメイン。主堂は長方形で 2 層構造、内部は 3 つに仕切られている。2棟の主堂のうち、北側に位置するものを北堂、南側を南堂とここでは呼ぶことにする。
主堂を囲む第二苑は、58 基のペルワラと126 基のストゥーパから成ると考えられている。
西向きに建てられた 2 棟の主堂入り口にはそれぞれ一対のドワラパーラ像が置かれている。
ドワラパーラ像は門衛神のため、建物の外部に配置されるのが常である。武装した巨人戦士の姿をしており重厚感がある。ドワラパーラ像は仏教はもちろんヒンドゥー教遺跡にも見られる。
プラオサン・ロル寺院 南堂
プラオサン・ロル寺院の南堂内部には3つの部屋があり、 6 体の仏像が安置されている。
もともとは各部屋 3 体ずつ、合計 9 体の仏像があったことはその石造りの蓮華座の数からも想像に難くない。しかし、各部屋の真ん中に安置されていたであろう本尊像はすでに消失しており、それぞれ脇侍像が残るのみである。
観世音菩薩と金剛手菩薩
まず、中央の部屋には観世音菩薩と金剛手菩薩がある。
これはムンドゥット寺院の脇侍像と同じ配置であり、中央に釈迦牟尼仏が置かれていたと推測される。
弥勒菩薩像と地蔵菩薩像
左隣（北側）の部屋には、弥勒菩薩像、消失した如来像、地蔵菩薩像が安置されている。
虚空蔵菩薩と文殊菩薩像
右隣（南側）の部屋には虚空蔵菩薩、消失した如来像、文殊菩薩像が安置されている。
また、仏像の安置されている両端の部屋の左右壁面には、菩薩像を守るかのごとく人物像が埋め込まれているのも注目に値する。
プラオサン・ロル寺院 北堂
プラオサン・ロル寺院の北堂。
外観は南堂と酷似している。北堂内部も南堂と同様のつくりとなっている。
仏像も安置されているが、南堂同様、各真ん中に位置する本尊像は消失している。また現存する脇侍像も首から上が欠損しており、頭部がない。
プラオサン・ロル寺院 多数の仏像
寺院全域から 20 体あまりの仏像が発見されているが、屋外に放置されたままになっているものもある。すでに修復済みのペルワラやストゥーパを未修復の石の散らばるなかに見ることができる。
プラオサン・キドゥル寺院
プラオサン･キドゥル寺院はプラオサン･ロル寺院の第三苑に位置しており、西向きに建てられた1棟の主堂がある。廃墟跡から推測してペルワラとストゥーパがこの主堂を取り囲んでいたと考えられている。
プラオサン寺院 観光情報
プラオサン寺院はプランバナン遺跡公園駐車場出口から2.6キロ、車で7分の移動。プランバナン寺院の姿を横目でみながら徒歩も可能。プランバナン寺院観光の前後に気軽に立ち寄れる。
拝観可能時間：08:00-16:00
入場料 Rp 50,000-
インドネシア人 Rp 10,000-
イ人こども Rp 2,000-
プラオサン寺院 アクセス
プランバナン遺跡公園駐車場出口から2.6キロ、車で7分の移動。
ジョグジャカルタ市内からはプランバナンを目指して公共のバスや電車でアクセス可。
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