マンクヌガラン宮殿

マンクヌガラン宮殿 古都ソロ見どころ
マンクヌガラン宮殿

古都ソロには2つの王家が存在する。カスナナン王宮を居城とする本家のパクブウォノ家と、分家のマンクヌゴロ家である。

管理が行き届いた美しいマンクヌガラン宮殿は内部まで見学が可能。伝統文化を大切に継承する王家として庶民からの信望も厚い。

2023年、公園・多目的スペース・レストランを有する複合施設プラチマがオープンした。

マンクヌガラン宮殿 建築

マンクヌガラン宮殿は、1757年から1866年にかけて段階的に建造された。

古代ジャワの吹き抜け木造建築はオランダ植民地時代のコロニアル風装飾が施されている。

初代当主より反オランダの立場をとりながら、ヨーロッパ風の建築デザインやインテリアをふんだんに取り入れている。

プンドポ アグン

巨大な吹き抜けの建物は、マンクヌゴロ2世が1815年に建設を開始した。

柱はすべてチーク材でできており、中心に据えられた4本の大黒柱は元は一本の木である。木材はマンクヌガランから東南へ55キロ、ドノロヨの森から運んできている。

1966年、ソロ川の氾濫で水浸しになり汚れがとれず茶色になっている部分があるが、元々は白だった。ソロ川からマンクヌガランまでは5キロ以上離れており、当時の洪水の被害は甚大であった。

クムドワティという天井の飾りはマンクヌガラン特有の柄である。直訳すると「白い蓮の輝く光」を意味する。神々の世界、または神へ近づく方法を表すと言われており、これはジャワ人が生きていくにあたり常に神の存在を意識し、常に神聖であることを心がけるさまを表現したものである。

パリンギタン

影絵芝居(ワヤンクリット)の舞台を設置し上演していた場所。庶民はプンドポ側(外側)から王族はダレムアグン側(内側)から鑑賞していた。

ダレムアグン

このガラスの向こう側がダレムアグン。撮影禁止。

歴代の当主が神に祈りを捧げた場所であり。マンクヌガラン宮殿のなかで最も神聖なエリア。

バレワルニ

昔は女性専用のエリアであった。現在は観光用に解放されている。

プラチモヨソ

家族が集まるための建物。オランダ人建築家トーマス・カールストンによって建てられた。1918年着工、1920年完成。同氏はソロのグデ市場も設計した

マンクヌガラン宮殿 当主

マンクヌゴロ1世

出典:http://civitasbook.com
ラデン・マス・サイド(1725.04.17-1795.12.23)

1757年、ラデン・マス・サイド(1725-1795)によってマンクヌガラン宮殿は建造された。

彼はオランダ植民地政府に刃向かい戦った功績によりインドネシアの英雄に選定されている。当時、敵であったオランダ植民地政府軍に「命に襲いかかる王子」を意味するサンブルニャワ王子というあだ名をつけられたほどの勇敢な戦いぶりであった。

彼こそがマンクヌガラン初代当主であるマンクヌゴロ1世である。

マンクヌゴロ1世のオランダへの反骨精神は父親による影響が大きい。反オランダを貫いていた父親アリヤ・マンクヌゴロ王子はオランダ植民地政府によりスリランカへ島流しにされ、ジャワ島に戻ることはなかった。

マンクヌガラン家 起源

1757年3月17日に締結されたサラティガ条約がマンクヌガラン家の起源である。カスナナン王家の支配地域の一部をマンクヌガラン家に譲渡、ジョグジャカルタ王家も加え、3つの王家による分割統治がオランダ東インド会社によって認められた。

ジャワ戦争を終息させ、戦闘能力の高いラデン・マス・サイドによるオランダへの反逆を抑え、また、王族の力を分断させる狙いがあった。

マンクヌゴロ2世~9世

オランダ植民地支配下の1866年、マンクヌガラン宮殿落成。オランダ植民地時代、日本占領時代を経てインドネシアは独立する。

2021年8月13日、マンクヌゴロ9世が逝去。現在の奥様のご子息が跡を継ぎ10世となった。前妻は故スカルノ大統領の三女スクマワティ・スカルノプトリ。彼女にも息子がいたが、今回のお世継ぎ問題でもめることはなかった。

マンクヌゴロ10世

2023年現在のマンクヌガラン宮殿当主は、マンクヌゴロ10世(Kanjeng Gusti Pangeran Adipati Arya Mangkoenagoro X)。1997年3月29日生まれの26歳である。インドネシア大学法学部卒。

本名は、グスティ・パンゲラン・ハリヨ(GPH:敬称)ブーレ・チョクロフトモ・ウィロ・スジウォ

マンクヌガラン宮殿 文化

マンクヌゴロは伝統文化を大切に保存・継承している王室として知られている。

ガムランというジャワ伝統音楽器も複数セットを保有しており、定期的に行っている伝統舞踊のレッスンの際には練習用のガムランが使われており、丁寧なメンテナンスが施されている。

王宮敷地内にある図書館レクソ・プストコには、マジャパヒト時代やマタラム時代の古書が保存されている。図書は一般人も閲覧可能。蔵書は貴重な古書・資料のため自由閲覧はできないが、図書目録から選択、司書が出してくれたものを閲覧室で拝読させてもらうシステムをとる。

マンクヌガラン宮殿 プラチマ

2023年、プラチマという公園エリアがオープンした。王宮料理が食べられるレストラン・プラチマサナも同敷地内に新設された。

  • 全席予約制
  • 10:00 12:00 14:30 17:00 19:00
    から好きな時間を選択
  • レストラン滞在時間は90分以内
  • 10万ルピア(税サ別)の最低料金
  • 服装ルールあり

マンクヌガラン宮殿 観光情報

マンクヌガラン宮殿開館時間
月火水金土日 09:00-14:30
木曜と月曜ジャワ歴ワゲ 09:00-14:00
マンクヌガラン休館日 祝日と政令指定休日
入場料 Rp 50,000-
ガイド料 Rp 50,000-
インドネシア人入場料 Rp 30,000-
イ人学生入場料 Rp 20,000-

男女共通 服装規定
短パンだめ
袖なしだめ
パラン柄バティックだめ

王様が住まわれている宮殿を開放しており、見学者も敬意をはらった服装をお願いしているとのこと。なお、プラチマサナ・レストラン利用時、男性は襟付きの服を着用。

見学時のルール
履き物は脱ぐ
サングラスは外す
帽子は被らない

履き物は脱がなければならないが、靴下は履いたままでもよい。裸足が苦手、冷え性の方は靴下持参。

マンクヌガラン住所:Jl.Ronggowarsito No.83, Keprabon, Banjarsari, Surakarta, Central Java

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