カラサン寺院

カラサン寺院、中部ジャワ最古の仏教寺院 ジョグジャ見どころ
カラサン寺院、中部ジャワ最古の仏教寺院

カラサン寺院は中部ジャワで最も古い仏教遺跡である。白い壁が特徴的である。プランバナン寺院の帰りに立ち寄るのがルート的には理想である。

カラサン寺院建築

中部ジャワで最も古い仏教遺跡であるカラサン寺院は、778年に建立された。素材は安山岩である。

カラサン寺院の特徴としてバジュラレパ (bajralepa) と呼ばれるセメントのような接着剤の役目も果たす素材を使用しており、白っぽい仕上がりでとても美しく、”中部ジャワの宝石”の別名をもつ。

寺院に施された彫刻はジャワ古典芸術の最高峰。寺院内部には多羅菩薩像がおかれていたであろう台座のみがある。構成としては東に向かってたつ十字形の寺院は中央の主室を4 つの房室が取り囲んでおり、周囲には 52 基のペルワラがある。

カラサン碑文

カラサン碑文
出典:Gunawan Kartapranata, CC BY-SA 3.0https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0
via Wikimedia Commons

ジョグジャカルタ特別州スレマン県カラサン市で1886年、ひとつの碑文が発見された。カラサン碑文である。

古マタラム王国のサンジャヤ王朝の遺物であり、サカ歴700年、つまり西暦778年にさかのぼるものである。全部で14行、サンスクリット語で書かれており、使用されている文字は北インドのプラナガリ文字である。

この碑文は現在、ジャカルタ国立博物館でNo. D.147として保管されている。
http://kebudayaan.kemdikbud.go.id/munas/prasasti-kalasan/

カラサン寺院建立の背景

カラサンの碑文 (778 年 ) によると、シャイレンドラ王朝のダルマトゥンガ王はサンジャヤ王朝のパナンカラン王に、大乗仏教の多羅菩薩をまつるための寺院と、シャイレンドラ王家の僧侶のための僧院を建造するよう提案し、建立のはこびとなったこと、また、このパナンカラン王が周辺の土地を免税としその土地からの収入を寺院運営のために利用するよう命じた、と言う記述がみられる。カラサン村を仏教徒のための共同体に寄贈したのである。

ここで興味深いのが仏教を信仰するシャイレンドラ王朝とヒンドゥー教を信仰するサンジャヤ王朝という 2 つの勢力が協力して仏教寺院を建立したことにある。また土地に関する権限はサンジャヤ王朝にあったのか、寺院に周辺の土地を授与したのはパナンカラン王であった。このような例はガウェン寺院の建立について記されたカラントゥンガーの碑文 (824 年 ) にも見られる。

カラサン寺院観光情報

開園日:毎日
開園時間:08:00-17:00
入場料外国人:Rp 15,000-
インドネシア人:Rp 6,000-

管理者:ジョグジャカルタ文化遺産保存局

住所:Jl. Raya Jogja – Solo, Glondong, Desa Tirtomartani, Kecamatan Kalasan, Kabupaten Sleman, Yogyakarta
ロロ・ジョングラン寺院の西約 3 Kmのジョグジャ-ソロを結ぶ幹線道路を南へ入ったところにある。

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